フォルティスの新路線に
期待を込めて部門賞を授与
松山改めてだけど、ここで言うデイリーウォッチの定義とは?
粕谷普段使いに適した時計。日々の仕事に使えて、休日のちょっとした外出もこなす時計という感じでしょうか。そして価格帯的にもそれほど高くないもの。となると自然シンプルな3針が主体となってくると思いますが。
中里さらに機械式初心者にも自信を持っておすすめできる1本という目線があってもいいかもしれませんね。
柴田前のクラシマよりケースのシャープ感が強くなり、よりモダンな雰囲気に仕上がっているよね。
松阿彌モダンなデイリーウォッチならグッチのG –タイムレスも完璧。文字盤やローターにディアマンテパターン、革ベルト裏にもGGパターンを型押しと、グッチのアイコンを贅沢に使いまくっているのに、とてもスマートな印象。文字盤の色合いも素敵です。
市塚こなれた価格もいい。グッチって意外とお買い得モデルがありますね。
髙木お買い得と言えばこのティソでしょう。昨年の当部門でグランプリを受賞した「ヴィンテージ パワーマティック80」と同じ約80時間パワーリザーブのクロノメーター認定ムーブを積み、11万円を実現している。
松阿彌ティソは最近絶好調ですね。
髙木最近のティソの機械式ムーブのクロノメーター認定取得数は、業界でも5本の指に入ると聞くからね。
吉田ハミルトンは人気のスピリット オブ リバティの3針に、ブレスタイプを追加。高温多湿な日本においては、デイリーウォッチはブレス仕様に分がありますし、これもGP候補に挙げたいですね。そもそもこのシリーズはフェイスデザインがとても美しい。
市塚積んでるムーブメントも、クロノメーターこそ取得していないものの、ティソと同じく約80時間パワーリザーブを実現していますからね。
粕谷エポスも面白いよね。モダンなスケルトンウォッチにして、懐中時計や置き時計としても使える3WAY。しかも腕時計時はクルリと裏蓋側を表にできるから実質4WAYです。ただこちらは着ける人を選んでしまうかな。
岸田皆さんフォルティスを忘れていませんか? 今までずっと宇宙宇宙って言っていたのに、今年はガラリと趣向を変え、こんなにクラシックなモデルをリリースしてくれた。
柴田あ、この時計は良かったですね。ちょっとバウハウス的な趣もあって。
髙木CEOが代わって路線が変わったんですよね。たしかこのモデルは昔のフォルティスが作っていたモデルへのオマージュとして製作されたとか。
松山このドロップ型ラグは30〜40年代に流行ったディテール。加工の難しいサファイアクリスタルをドーム型に形成したり、外周が落ち込むボンベダイヤルを採用するなど、ツウ好みの要素もきっちり押えていて好感持てる。
粕谷少しクラシック過ぎないですか。
中里たしかに今上がったモデルの中で一般に受けるのは、ボーム、グッチ、ハミルトン、ティソかもね。
吉田今どきのシャープなスーツに合わせるならそっちかも。でもフォルティスも素材感の効いたジャケットとかに合わせると相当お洒落だと思う……。
市塚ボクも、初心者からベテランまで時計好きに幅広く刺さるモデルとしてフォルティスを推したい。時計デザインの歴史も学べるし。
岸田確かにそう。フォルティスがこんな端正なデザインを昔手掛けていたなんて誰も知らなかったでしょ(笑)。
松山この路線で今後どういうモデルか登場するのか興味あるし、そんな期待含みで今年のデイリーウォッチ部門はフォルティスで決まりかな。